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nagasaki vol.3

2019-03-22 Fri 23:05

 

稲佐山はアクセスが悪い。

 

 

ロープウェイ乗り場まではバスで行くか、路面電車の駅から15分ほど歩くことになる。ボクは後者を選択したわけだが、雨が次第に強くなり、乗り場まで特にこれといった見どころのないエリアだったため歩き疲れた。やっとの思いで付近に到着し、坂を登っていたら、近くにいた警備員から悪天候のためロープウェイが運休していることを知らされた。しかも車を持っていない限り展望台へ上がる手段はないとのこと。

 

 

楽しみにしていた夜景を見れないショックに加えて、同じ道のりを歩いて帰るのがすごく嫌だった。またプランを考え直さなければならない。出島に行くかミュージアムに行くか。でも疲れてしまったので何か食べたい。が、何か食べている間に閉まってしまうかもしれない。翌日は早朝から軍艦島ツアーがあるし、体力と時間に余裕を持っておかなければならない。こんなことならもっと早く佐世保を出発すればよかった、などの思いが頭をよぎる。

 

 

疲れてしまった時は何か食べるしかない。全てを見ることは諦めて、絶対に見たいものを優先するしかない。そう考えて新地中華街に向かった。皿うどんを食べるためだ。

 

 

横浜や神戸のような中華街を想像していたが、長崎の中華街はもっとずっと小さかった。30店くらいしかないのではないかと思う。ネットで見つけた地元っ子おすすめの店に行った。

 

 

皿うどんには細麺と太麺がある。多くの人がイメージするパリパリの麺は細麺だ。蘇州林という店の細麺を食べたのだが、具が大きくて、見た目はボリュームがあるにも関わらずあっという間に食べてしまった。よく歩いたせいだろう。これは美味かった。

 

 

さて、腹は満たされたがどうするか。夜景がダメになってしまったので、出島のライトアップを見に行くことにした。近くにはオシャレなカフェなどがあるエリアもあるらしい。

 

 

ところが行ってみると出島は入場に500円かかる上、資料館しか開いていなくて他の店舗は閉店しているという。諦めて出島ワーフというオシャレ飲食店エリアへ行く。そしてさらにやられた。雨でほとんど人がいない。店自体がやっていないところもあった。

 

 

かなり痛い。2日目の夜が悉く台無しになってしまう。このままでは終われないという思いから必死に次のスポットを探す。そして、稲佐山とは別の展望台を目指すことに決めた。

 

 

そこは鍋冠山(なべかんむりやま)といって、稲佐山に次ぐ夜景スポットとのことだった。世界新三大夜景に選ばれるだけあって、長崎にはいくつかの夜景スポットがあり、地元民は落ち着いて見れるところに行くようだった。

 

 

グラバースカイロードという斜めに上がるエレベーターに乗り、一番上まで上がる。さらに別のエレベーターに乗り、これも最上階まで上がる。そこから歩きで頂上の展望台にあるのが鍋冠山だ。

 

 

何しろ即席で思いついたアイディアなので、情報が少ない。標識を見ながら山を登るうちに、誰もいない暗い山道をたった1人で登ることになってしまった。しかも道を照らすライトとGPSでどんどんスマホのバッテリーが減っていく。

 

 

ああ、これはバッテリーがなくなったらヤバイことになるなと思った。途中で不審者にでも遭遇したら数ヶ月は見つからなさそうだった。

 

 

漸く展望台の灯りが見えてきたところでさらに傾斜がきつくなる。地面が濡れているため足元が滑る。

 

 

「もう最悪だ」

 

 

と声を出しそうになった。声を出すのをやめたのは、木々の間から「何が?」と聞こえてきたら嫌だったからだ。言葉を飲み込んで歩き続けた。この努力が報われなかったら、今回の旅は悪い印象になってしまう気がした。

 

 

〜つづく〜

 

 

新地中華街。人が少ない。

 

 

出島ワーフ。とにかく人がいない。

 

グラバースカイロード