antwarp

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10年

2019-07-26 Fri 04:11

 

フジロックに出てから10年がたった。

 

 

ROOKIE A GO-GOという登竜門的な小さいステージだったが、ちゃんとバンドとして認められたからこその出演だったと思う。ボクにとってはnenemのメンバーとして最後のステージであると同時に、また別の形で戻ってくると誓ったステージでもあった。

 

 

そこからは自分の不甲斐なさを思い知ることの連続で、たまたま運良くあそこに参加できただけなんだと思うようになった。時代は移り変わり、CDは売れなくなり、バンドマンの数は明らかに減った。ボクはバンドの形態を捨ててソロになった。使う機材もまったく別の物になり、出演する会場もライブハウスではなくクラブを選択するようになった。ふらっと入って面白いものに出会う確率が高いのは、はっきり言ってクラブの方だ。個人で勝負する方が、メンバーの都合で時間や場所に縛られるバンドよりもずっとフレキシブルに活動できる。ネットで国を超えて繋がっていくことも容易になり、個人で表現していくことはますます重要になっていると感じる。一方で音楽はどんどん細分化され、頭角を表すのは難しくなっているとも感じる。

 

 

ただ、大きなフェスとなれば、バンドもクラブ系のミュージシャンも出る。フジロックは依然として国内ではナンバー1のフェスで、音楽をやっている人で出たくない人はいないだろう。あの景色・空気感はやみつきになる。おそらく出たことのない人よりも、一度出てまた出たい人の方が、ずっと気持ちは強いと思う。

 

 

メジャーアーティストとして活動した人や武道館でやったことのある人も、きっと同じような感覚を持っているんだろう。運が良かっただけにせよ、そういうステージに立った人は、その快感を忘れることができない。だから辞められない。

 

 

ステージの大小は関係ない、なんていうのはカッコつけだと思う。その気持ちは大事だが、気合いの入り方が違うのは当然だ。より多くの人に聴いてもらえる機会が得られるなら、そこに全力を注ぐのがパフォーマーとしての使命だとすら思う。結果、1人2人にしか深く刺さらなかったとしたら、それはその時にポジティブに捉えるしかない。

 

 

現状ボクは遠いところにいるが、過去のいい思い出で終わらせるつもりはない。フジロックにこだわっているわけではないが、ベンチマークとなるようなステージを経験していきたいという気持ちはずっとある。そしてそのためには、もっとアイディアを振り絞ってハードワークしなければと思う。